白秋文学コース5　二町谷

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寂しさに浜へ出て見れば波ばかり
うねりくねれりあきらめられず

大正二年一月白秋が死を決意してこの浜を彷徨したときの一首です。

不霊の山れいろうとしてひさかたの
天の一方におはしけるかも

三崎に転移し新生を期しこの浜に再び立ったときの歌で、哀傷の苦悩と新生への息吹との対照的な境地をしることができます。

一心に遊ぶ子どもの声すなり
明るきとまやの秋の夕ぐれ

白秋の向ヶ崎時代と、二町谷時代を対照すると点景の描写に大きな相違のあることも判ります。当時この浜で行われていた三崎の消防組の出初式を観て「消防整列」という詩壇の反響を呼んだ詩も作っています。
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